弱小校をのちに甲子園に導いた監督のはなしです。
強豪校から転任して、野球の指導に当たっていたのですが、思いあまって校長に訴えました。
「あいつら練習前のライン引きすらやっていない。困ったもんです。」
すると校長が「君はそれをちゃんと教えたんか?」
「それぐらい当たり前のことでしょう」
「以前の学校では当たり前だったかも知れない。でも彼らはそれを誰からも教わっていないんだ。
そこから教えるのが君の仕事だ。よろしく頼む」
~~~~~
この話は私にとって貴重な教訓となりました。
日々、子どもたちと接していると
「これぐらい知っとけよ」「この前教えたやろ」といういら立ちはひんぱんにあります。
同時に「それをちゃんと教えたのか」「教えたとしても、脳ミソにしみ込むまで教えきったのか」
という考えもよぎります。
お母さんも同じような気持ちになったことが多々あると思います。
優秀な子どもは、一度でほぼ理解します。
しかし、現実はそんなに簡単にはいきません。
「考える力」が今後求められていきますが、
その土台となる知識はくり返し、くり返し、ねばり強く教えていくのが大人の責任だと思うのです。
【おかあさん、深呼吸しましょう 第175回】
シティーメイト2020.11月号掲載
2020-11-04 18:47:44
教育コラム一覧
| コメント(0)